朝鮮学校の歴史と現状を伝えるドキュメンタリー映画
朝鮮学校の歴史と現状を伝えるドキュメンタリー映画
ノンフィクション作家の高賛侑監督が朝鮮学校の歴史と現状を描いた長編ドキュメンタリー映画『アイたちの学校 100年の差別-その闘いの記憶』の上映会が連合会館(東京・御茶ノ水)で行われた。
作品では、朝鮮学校の授業や部活動などの日常風景を紹介から始まり、朝鮮学校の子どもたちがどのような生活を送っているのかが映像を通してよく分かる内容となっている。
また、在日朝鮮人が戦後、民族教育を行うため全国に国語講習所を設立して朝鮮学校に発展させたことや、GHQや日本政府の朝鮮学校閉鎖に対する反対運動「4・24阪神教育闘争」など、朝鮮学校の歩んできた歴史が映像を交えて描かれている。
最後には、朝鮮学校が高校無償化制度から除外されている現状についても触れられており、映画に出演した前川喜平元文部科学事務次官が、「なぜ朝鮮学校だけが差別されているのか?」という疑問を観客に投げかけている。
「朝鮮学校のことを知るきっかけになれば」
「朝鮮学校のことを知るきっかけになれば」
上映後、参加者からは、「朝鮮学校の歴史や実情がよく分かる内容であった。民族教育の持つ意義について考えさせられた」という声が聞かれた。
開催側のスタッフの1人は、インタビューに対し、「日本中の方々にこの映画を見てもらい、本当の朝鮮学校の姿を知るきっかけになればと考えている。そして、可能であれば、実際に朝鮮学校に訪問してもらい子どもたちと触れ合う中で、朝鮮学校の教育がどのようなものか感じ取ってほしい」と語った。
また、別のスタッフは、「朝鮮学校の部活動や運動会などありのままの素朴な風景が描かれており、朝鮮学校のことを知らない方でも分かりやすく、また、親しみやすい内容となっている。映画を見て関心を持った方にはぜひ朝鮮学校に足を運んでほしい。そして、この映画を入口にして、朝鮮学校や朝鮮のことをもっと深く理解してもらいたい」との思いを述べた。
今後、同映画は、「京都シネマ」(京都市下京区水銀屋町620)において、2019年3月2日(土)から29日(金)までの間上映されることが決まっており、その他、全国各地でも上映に向けて準備が進められているとこのことであった。
朝鮮学校の子どもたちの日常的な姿が感じられる作品となっているので、興味を持った方にはぜひ劇場へと足を運び、まずは映画を通して朝鮮学校の姿を自身で感じ取ってもらいたい。
「アイたちの学校」予告編
八島有佑