ベトナム第3の都市ダナンはリゾート開発で盛り上がる

ベトナム第3の都市ダナンはリゾート開発で盛り上がる

米朝首脳会談が開催される見込みのベトナム中部の都市ダナン(写真提供 N氏)

 今月25日を軸に2度目となる米朝首脳会談がベトナム中部の都市ダナンで開催される可能性が濃厚になっている。

 明日2月5日はベトナム最大の祝日である旧正月テトを迎える。すでにテト連休に入っている首都ハノイや商都ホーチミン市では旧正月のワクワク感に包まれている。

 今回、注目の米朝首脳会談が開催される見込みのダナンは、南北に細長いベトナムのちょうど中間に位置する人口約106万人(2017年)のベトナム第3の都市とされるリゾート地だ。近年、ベトナム政府はダナン開発に力を入れており、成長著しいエリアとなっている。

 現在、日本大使館や領事館はハノイとホーチミン市の2か所しかないが、早ければ2020年にもダナンに出張所が開所される予定が決まっているなど日本からの注目も高まっている場所なのだ。

共産党一党支配のベトナムは中国と兄弟国?

 ベトナムをあまり知らない人には、「何で米朝会談がベトナムなの?」、「アメリカとベトナムは戦ったし仲が悪いのではないか?」、「ベトナムと中国って兄弟国なのでは?」と思う人もいるだろう。

 ベトナムの正式名称は、ベトナム社会主義共和国と中国と同じく社会主義を理念として建国され、共産党一党支配の国だ。そのため、ベトナムと中国を兄弟国と認識している人は多いと思われる。

 確かに、ベトナムと中国には類似点が存在する。

 代表的な類似点を挙げてみると、
・党の組織や統治構造。
・共産党統治の正当性を常にアピールし続ける点。
・共産党や政府への批判を規制。
・司法権の独立がなく共産党の影響が大きいこと。
・土地は国有。
・未婚のベトナム人と同じ部屋に宿泊すると売春と見なされて刑罰対象となること。

土地は国有だけど強制収用せずに説得する

 逆にベトナムと中国がまったく異なる点を挙げてみると、

・集団指導体制を徹底しており指導者の出身地のバランスを重視している。
・緩やかな愛国主義。
・人権や宗教の自由に対しての規制が緩やか。
・少数民族文化の尊重。
・インターネットの規制を大幅に緩和する傾向。

 あと、面白い点として、土地収用についてがある。中国は国益を建前に強制的に土地収用することが多いが、ベトナムは粘り強い説得を試みることが多い。そのため、ベトナムは、諸々決定から実施までに時間を要することが多いとされベトナムの日本法人を悩ませることにもなる。

 これらを見ても中国と表面的には似ているように思われるが、両国は実はまったく違っている点も多いことが分かる。

 続いて、アメリカとベトナムの関係についてであるが、それを考えるには、ベトナムの対中観を知る必要があり、対中観がベトナムのありとあらゆる国策決定に影響する大きなキーワードとなる。

(続く)

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