米主要機関や日本の官公庁は事実上、中国製ハード・ソフトは使用禁止
米主要機関や日本の官公庁は事実上、中国製ハード・ソフトは使用禁止
アメリカ政府が、中国の通信機器大手「ファーウェイ」製品を安全保障の驚異として同盟国へ使用しないように求めたことがニュースとなった。
予想外の行動が続くトランプ政権だからと思う人もいるだろうが、さすがのアメリカが何のエビデンスもなく中国の1企業を名指しでNGを出すことは考えづらいというのが専門家の見立てだ。
事実、アメリカの国家公務員や主要機関では、中国製のハードウェア、ソフトウェアの使用を禁止している。日本では禁止にはなっていないが、実は、各官公庁内のルールで中国製のスマートフォンやタブレット端末、USBメモリーキーは使用しないように内部規定で定められており、現実的には使われていない状況だ。
中国大手検索エンジン百度のバックドア疑惑
中国メーカーの製品にはいわゆるバックドアが仕込まれているという話は、以前から度々話題となっている。ここでのバックドアの定義は、バックドア=裏口、IT用語での情報を不正に抜き取るための意図的に仕掛けられたものとする。
中国の経済発展とともに中国企業も競争力を高め日本へも進出してくるようになった。恐らく最初に世間を騒がせたのは、2013年12月、中国最大の検索エンジン「バイドゥ」(以下、百度)が提供する「百度IME」とスマホ向けのIME「シメジ」がユーザーの入力情報を百度の中国のサーバーへ自動的に送信していたことが発覚したことだろう。
同社はプロブラム上のミスであり、意図的に仕掛けたバックドアの類ではないと否定する声明を出している。
プレゼントされたUSBメモリキー
中国へ日本のキャラクター製品を輸出する会社経営者であるBさんは、今年春に、中国の取引先企業との仲介を依頼している中国企業が創業20年を迎えるとのことで都内のパーティーへ出席した。
パーティーでは来賓者全員へ記念品を贈呈した。贈られたのは16GBのロゴ入りUSBメモリーキーだった。
日本ではあまりないが中国では記念品でロゴ入りのUSBメモリーキーをプレゼントすることが最近は増えている。
この仲介会社は中国以外にも東京や台湾、バンコク、ニューヨーク、パリ、ロンドンなど世界中に支社を持つグローバル企業だ。
Bさんは今回のファーウェイのニュースを見て未使用だったUSBメモリーキーを解析業者へ出してみた。完全解析するのは30万円以上もかかると言われたので簡易解析で調べてもらった結果、一般的なUSBメモリーキーとは異なる構造をしており、断定はできないが、おそらくハードウェア的に何かしらのものが埋め込まれているとの解析報告を受けた。使わなくてよかったと胸をなでおろした。
(続く)