大連視察の北朝鮮人が熱望する大連フラマホテル
大連視察の北朝鮮人が熱望する大連フラマホテル
金正恩党委員長が今年5月7、8日に大連を訪れて以来、大連視察をする北朝鮮関係者が増えており、北朝鮮、特に首都平壌が大連を都市設計のロールモデルにしているという話はお伝えしたが、その動きは夏以降も続いている。
おさらいになるが、北朝鮮が大連をロールモデルにする理由は、面積、都市人口が近く、またほぼ同緯度のため気候も近いという共通点が多いことだ。
北朝鮮関係者が大連を訪れたときに宿泊先としてほぼ全員が希望するのが大連のビジネス街人民路にある「大連フラマホテル」だ。同ホテルは、1988年開業で合弁ホテルとして中国東北3省初の5つ星となった老舗ホテルで、現在でも大連最大規模の客室数を誇っている。
しかし、開業30周年を迎える大連フラマホテルは現代大連の創成期に建てられたホテルのため現在ではもっと高級志向な5つ星ホテルが多く存在している。にもかかわらず、北朝鮮関係者が同ホテルを熱望するのは、2010年5月に大連を電撃訪問した金正日総書記が宿泊したからだ。
将軍様の部屋は1泊30万円
金正日総書記が宿泊したのは、大連フラマホテルの最高級特別室で1室しかないプレジデントルーム。プレジデントルームは、西棟と東棟と2棟あるうちの西棟にあり、専用エレベーターを完備しているため一般客と鉢合わせする心配もない。
公式サイトによると広さは846平米、坪数にすると約256坪と郊外の一戸建てよりも広い。公式サイトに予約ボタンはなく、宿泊料金も表示されていないので、同ホテルを取り扱っている大連の旅行会社へ確認してみたところ季節によるが1泊25~30万円とのことだ。室内には会議室や秘書などの随行員のため部屋もあり同行者1人あたりで追加料金がかかるそうだ。
地方都市で開業から30年経っているホテルのためこのくらいだが、北京や上海などで同クラスの部屋へ宿泊すると1泊100万円以上はする。
大連港が近く北朝鮮とゆかりのある場所
Furama Hotel Dalian, Dalian, China – 5 star hotel
ちなみに公式サイト出てくる大連フラマホテルのや最安値は598元(約9700円)となっている。冬の寒さが厳しい大連は、繁忙期である夏は高く、閑散期の冬は安くなるという年間通して価格差があるので、この時期の価格が平均値に近い。
金正日総書記以外にも朝鮮労働党幹部クラスが宿泊することも多い。
「フラマホテルから大連港まで車で10分でこの地域には元々朝鮮族貿易商が多く住んでいたこともあり北朝鮮関係機関や会社なども密集していました。10年ほど前までこのホテルから1分ほどの場所に北朝鮮レストラン『平壌館』もありました」(大連フラマホテル近くで韓国との貿易業を営む朝鮮族社長)
大連フラマホテルは北朝鮮人にとっては自慢できる憧れのホテルなんだろう。