ウェイボーには日本語での投稿も
宗教団体「幸福の科学」の創始者で総裁の大川隆法氏が、1日に死去したことが2日午後にツイッターのトレンド入りして報じられた。
このニュースは、宗教団体としての活動が禁じられているはずの中国でも報じられている。
SNS(微博)ウェイボーでは、個人アカウントの投稿が確認でき、中国当局の目を気にしてか、日本在住とみられるアカウントから日本語での投稿も複数確認できる。
書き込まれているコメントには、死去を喜ぶかのようなコメントが多く相変わらずの状況であるが、「新興宗教と邪教は何が違うの?」「10年前に幸福の科学が制作した映画を見たことがある」「日本邪教多すぎ」「安倍晋三の暗殺を思い出す」などが確認できる。
5つの宗教しか活動できない中国
中国では、中国政府が認可した5つの宗教・宗派のみが宗教活動を行うことができる。
宗教活動ができるのは、許可された教会や寺院、モスクなどの敷地内のみで、敷地から1歩でも外に出ての活動は厳しく禁じられている。当然ながら、街中での布教活動は、厳罰の対象となる。
中国で公認されている宗教は、キリスト教(カトリック・プロテスタントの2つ)、イスラム教(スンニ派・シーア派も含めて1つ)、仏教、道教の5つとされる。
いずれも既存のオールド宗教のみで、1949年の中華人民共和国建国以降に誕生したような、いわゆる新興宗教が追加で認められたことはない。
そのため、中国国営や中国共産党系など官製メディアが、この件を報じることはないと思われる。
現在、確認できる個人アカウトでの投稿も検閲対象となり削除される可能性がある。同時に投稿者は、監視対象などマークされる恐れもある。
実質的に邪教扱いか
改めてウェイボーで過去の投稿を検索すると、閲覧数は少ないが、2016年に投稿された映画の原作になった大川隆法氏の著作を解説する文章が残されているなど、邪教認定されている旧統一教会や法輪功(法輪大法)とは違い完全禁止ではないと思われる。
幸福の科学も含めた新興宗教は、中国では宗教活動ができないため、大学などへ多額の寄付をして研究所などを設置し、学問や語学、芸術として研究したりして実質的な宗教活動を行っている。
一方で、「中国反邪教協会」のウェイボーアカウントは、2019年に恐ろしい邪教として大々的に発信している投稿が確認でき、中国共産党系の組織や中国各地の反邪教協会が同じ内容をコピーして複数投稿している。
中国は公認されている5つの宗教・宗派以外の布教活動は禁じされているが、宣教を伴わない個人で信仰する内心の自由は認められている。幸福の科学もそれに該当すると思われていた。
しかし、改めて深掘りしていくと幸福の科学は、中国では実質的に邪教認定されていると考えられそうだ。