米国でパンダの虐待死が指摘される
上野動物園(東京都台東区)のパンダの「シャンシャン」が、21日昼過ぎに成田国際空港から中国四川省成都へ向けて出発した。
シャンシャンは5時間半ほどかけて成都へ到着。長旅だったが体調に変化はないようだ。
シャンシャンについては、NHKが最終観覧日から出発や到着、見送った人の声など多くの時間を割いて伝えた。
シャンシャンの返還は、中国SNSでもトレンドワード入りし、関連ハッシュタグは、本日だけで6500万ページビュー(PV=閲覧回数)を超えた。
「抽選に外れて大泣き」というタイトルの動画へ書き込まれたコメントには、「日本人はパンダが大好きなんだな」「共感する」「私も泣く」「大切にしてくれてありがとう」という好感コメントが占めた。
中には、「アメリカ人は残酷」「虐待して殺したアメリカを恨む」「アメリカに比べれば韓国はまし」という米国に対するコメントも目立つ。
これは2月1日に米南部テネシー州メンフィス動物園へシャンシャンと同じく、中国から貸与されていたオスの24歳のジャイアントパンダ1頭が死んだことを指しているとみられる。
動物園があるメンフィスの動物愛護団体は、虐待死の可能性があると指摘している(動物園側は否定)と報じられている。
パンダ返還のニュースではあるが、こんなところにも反米世論を形成、誘導しようという“炎上仕掛け人”の息を感じることができる。
パンダでも何でも利用できるものは利用する、というのが中国らしい。
また、よく知られている事実ではあるが、中国から貸与されているパンダは1頭あたり年間約1億円かかる。
しかし、その経済効果は、数百倍と試算されているので、十分に元は取れていると言える。
その一方で、都立である上野動物園が、経済効果を追求したり、中国に恩を売るようなことを率先してする必要があるのかという声は以前から根強く聞かれる。