すでに未感染者は少数
春節(旧正月)を目前に人の移動が増える中国は、SNS微博(ウェイボー)に「未感染者は群衆の中でどうやって感染予防する」というハッシュタグが立ち上がり、20日午後9時時点で約1億8000万人閲覧している。
都市部を中心にすでに全体の9割が感染済みともみられる中国なので、非感染者は、すでに1割の1億5000万人くらいの希少な存在と言える。
1月20日、中国各地に住む人たち50人近くに取材したところ、感染していないと答えたのは1人しかいなかった(発症者は回復済み)。
そのため、ほぼ中国全土の都市部の全員が発症済みだと推測できる状況だ。
国営の中国中央テレビ(CCTV)は20日、拡散するデマやうわさを打ち消すためか、下記のような投稿を2件ウェイボーへ投稿している。
1件目の投稿には、多少の関心が集まったのかコメント505件が確認できるが、2件目は、32件しか確認できない。
ゼロコロナのおかげで恐ろしいデルタ株は防げた?
中国疾病管理予防センター常昭瑞氏は、「人混みは感染リスクを高める。未感染の人は春節(旧正月)期間中の移動の疲れや人との接触により感染する可能性は否定できない。
また、個人での予防を徹底し、定期的な休息と適度な食事、運動など健康的な生活習慣を維持すること。
さらに、外出時にはマスクを正しく着用し、頻繁に手洗いなど個人個人が感染対策を実施することを推奨する。
すでに新型コロナウイルスに感染した人もインフルエンザなどの他の呼吸器感染症を予防するためにも未感染の人と同様の感染対策を行う必要がある」と常氏の説明を紹介した。
興味深いのは投稿末には、「我が国はまだデルタが流行していない」という一文が添えられている。
中国では、ゼロコロナ政策のおかげで、毒性が強かったデルタ株は、まん延していないと主張したいのだろうか。
12月7日に突然のように毒性は弱いと中国政府が主張し始めたオミクロン株との違いを強調する狙いも感じさせる。
ゆで卵2つ食べて牛乳を飲んで予防せよ
同日2件目のCCTVの別投稿では、「専門家のヒント」として、新型コロナウイルス感染症から回復後、どのような栄養素を補給するべきかを伝えている。
「1.1日のタンパク質の摂取量を増やすべきだが、過剰ではなく、20、30%くらい増やし、最大でも通常の50%増を超えないようにすること。
2.牛乳を毎日250~500ミリ・リットル。同時にゆで卵を1、2個食べること。
3.1日150から200グラムの肉を食べる。白身と赤身の肉に偏らず交互に食べること。
4.豆腐とその加工品を1日50~100グラム程度。タンパク質の摂取は、朝・昼・晩の食事で均等に配分として摂ること。卵、低脂肪乳または脱脂乳、蒸し魚、豚ヒレ肉など高タンパクで低脂肪の食品を選ぶようにすること。
これらは未感染者にも有効なポイントとなる」と強調している。
中国在住の複数の中国人にこの情報について尋ねてみると、「誰も参考にしていないと思う」と即答された。