医薬品価格のつり上げが起こる

医薬品価格のつり上げが起こる

3日付の労働新聞が掲載した咸鏡南道の連浦温室農場にある壁画(提供 コリアメディア)

 韓国・聯合ニュースは11日、北朝鮮が中国から新型コロナウイルスの治療薬を大量に調達していると中国企業への取材を元に報じた。

 まさに北朝鮮による医薬品の爆買い状態のようだが、現在、中国各地では、風邪薬などの価格のつり上げが起こっており、北朝鮮の調達コストも上昇していることが予想される。

 この記事は、韓国語版と中国語版で確認でき、日本語版では確認できない。

春節での感染爆発を警戒か

 以下、記事内容。

 中国の北朝鮮との貿易企業によると、中国が新型コロナへの防疫処置を大幅に緩和したことから、北朝鮮は新型コロナの国内流入を警戒し、新型コロナ対策の医薬品を積極的に調達している。

 北朝鮮と中国の貿易拠点である遼寧省丹東の貿易会社は、中国が防疫処置を大幅緩和した7日以降、北朝鮮は解熱剤や抗生物質のほか、新型コロナの治療薬の購入を希望していると述べた。

 また、瀋陽の貿易会社によると、もともと北朝鮮は、コメと食用油を最も多く購入していたが、現在は解熱剤や鎮痛剤の注文が非常に増えており、北朝鮮の高官向けと思われる新型コロナ治療薬の注文も相次いでいるという。

 さらに、ある情報筋は、北朝鮮と中国の国際列車が再び停止される可能性があるとの見方を示した。

 情報筋によると、北朝鮮は、中国が新型コロナの感染予防と抑制処置を緩和したことで、国内へ急速に流入することを強く懸念している。

 中国で国内移動が盛んになる春節期間に感染が急拡大すれば、再び列車の運行を停止する可能性があり、北朝鮮の貿易会社は、それまでに必要な物資をかき集めるように指示されているとのことだ。

丹東と北朝鮮・新義州間の国際列車を使った貨物輸送は、2020年8月に運休し、今年1月に再開され、4月末の丹東のロックダウン後に再び運休となり、今年9月末に運行が再開されていた。

新型コロナ治療薬は存在しない中国

 北朝鮮が具体的に中国からどの医薬品を購入しているかは明らかではない。

 ゼロコロナ政策を緩和した中国では、新型コロナの感染拡大を恐れて、薬局には風邪薬などを求める長蛇の列ができている。
 
 上海の日本人メディア関係者は、これまでは都市封鎖(ロックダウン)に備えての食料品の買いだめだったのが、感染時に備えての常備薬の買いだめへと行動変容が起き、全国各地で風邪薬などの医薬品全般の価格のつり上げが続出している。実に中国らしい現象が確認できると報告している。

 中国の新型コロナ治療の薬と言えば、夢の特効薬と日本でも一部で話題となった「連花清瘟」があり、すでに大幅に値上がりしているようだ。

 そもそも連花清瘟は漢方薬で、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した時にSARS治療を目的に開発されたという経緯から特効薬のように勘違いされている。

 連花清瘟は、基本的に肺炎症状を緩和させる効能、しかも漢方薬なので、短期間での改善効果はなく、基礎代謝や免疫力を向上させて症状を改善させるものとされる。

 よって、今回の記事で報じられている新型コロナの治療薬は、中国には存在しない。

 あるのは発熱や肺炎、鼻水、せき、喉の痛みなどの各症状を改善させる薬しかない。これら対処療法の薬を指しているのだろうか。

 果たして、これらの医薬品に新型コロナワクチン(中国製?)が含まれているのかも気になるところではある。

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