「国際社会で孤立する」北朝鮮外務省
「北朝鮮外務省の公式サイトは5日、日本の原発処理水の海洋放出を非難する記事を掲載した。
記事によると、日本は国内外の強い反発にもかかわらず、福島原子力発電所から放射性汚染水を太平洋に放出するという東京電力の計画を承認した。
人類共通の財産である太平洋は、汚染という深刻な危機に直面している。
専門家は、海流が早い福島県沖で125万トンの放射性物質で汚染された水が放出されると、わずか50日あまりで海の反対側まで広がり、世界の海洋環境と環太平洋沿岸の住民の健康にダメージを与えると警告している。
それにもかかわらず、日本当局は、この計画の承認に固執し続けている。
これは日本が自国のみの利己的な利益のために国際社会の利益を踏みにじることを躊躇(ちゅうちょ)しない日本固有の身勝手さをさらけ出したのである。
日本が核汚染水を太平洋へ流すことにこだわれば、国際社会で孤立することは必然であり、長い目で見れば高い代償を支払うことになるだろう」
という内容で国営の中国中央テレビ(CCTV)が6日朝に伝え、さらにそれを中国共産党機関紙の環球時報が、「北朝鮮外務省が日本の核汚染水放出を非難」というタグを付けてSNS微博(ウェイボー)へ投稿した。
中朝韓3か国で連帯
主張としては、中国政府とまったく同じ方向を向いているためか、論評も加えず投稿し、日本を言葉汚くののしったり、蔑(さげす)んだり、まるで関係ない歴史や文化批判などのコメントが殺到し炎上している。
環球時報(中国政府)の世論誘導、形成の狙いとしては大成功といった感じだろう。
この問題については、中国と韓国が強く連帯している。そこへ北朝鮮も加わり、中朝韓3か国連合ができたようだ。
中韓がこの問題で繰り返し日本を批判するのは、原発利権や内政利用などの目的が隠されている。
中国は、日本が事実を隠蔽(いんぺい)しているなどと日本政府の不誠実さや原発の安全性という点を批判し、国際社会へアピールすることで、相対的に中国の原発の安全性をアピールしたい狙いがある。
アフリカへ原発を売るために日本を叩く
中国は国策として原発輸出に力を入れており、明らかになっているところでは、南アフリカ以外では原発が稼働していないアフリカ諸国への売り込みに熱心のようだ。
日本経済新聞が7月22日に報じた記事によると、アフリカで2基目となる原発がエジプトで着工したとエジプト政府が7月20日に発表。エジプトの原発は、ロシア企業ロスアトムが受注している。
一方、中国はケニア(2015年)、スーダン(16年)と原発建設協力で合意して動いている。
中国は、アフリカ3か国目、4か国目と原発建設を増やすためにも日本を叩き続けることが新規獲得へ直結すると理解している。
つまり、中国は今後さらにSNSも含めて国を挙げての日本の原発批判を強めることが容易に予想される。