「丹東が目を覚ます時」中国メディア

「丹東が目を覚ます時」中国メディア

以前は鴨緑江近くで楽しむ市民たちを確認できた

 北朝鮮と国境を接する遼寧省丹東の都市封鎖(ロックダウン)が24日、解除されたと中国メディア・毎日経済ニュースがSNSへ投稿した。

 微博(ウェイボー)を見ると、2か月ぶりに出勤や外出とコメントを添えて鴨緑江を背景に撮影された投稿が確認できる。

 丹東在住者に確認すると、完全解除ではなく、新型コロナウイルスの陽性者が確認された社区(日本だとマンションの敷地区域に相当)封鎖が継続されているので、外出できない人は多いとのことだ。

 当局発表では、25日も丹東では7人の新規陽性者が確認されている(全員無症状感染者)。

 毎日経済ニュースは、「丹東では先週、父親の通院を巡って警察官への暴行がインターネットで拡散され、丹東の苦境を伝えたが、いよいよ、丹東が目を覚ます時がやってきた。
 
 丹東は、ロックダウンが始まった4月24日以降、3度の大きな感染の波で1000人近くの感染が報告され、200万人以上の丹東市民は2か月間、外出できない状況が続いた。

 丹東のメディアによると、今回の新型コロナの流行で、高速鉄道は3月から運行停止。空港は4月2日から封鎖され、丹東は2か月間の隔離された状態だった」と伝えている。

経済苦でボロボロに

 現在、中国政府は、ロックダウン(封城)という言葉を避けている。

 民間メディアも政府の意向に従いロックダウンではなく、閉鎖管理(封控管理)など微妙な言い回しを使い、無慈悲で人権無視のロックダウンではなく、当局が大切な人命をしっかりと守るために管理していると国内向けにアピールしたい意図がありそうだ。

 気になるのは、丹東のロックダウン以降、停止している国際列車での中朝貿易であるが、

 「2か月間もまとも仕事ができなかったので、私のような自営業や民間企業などで仕事する丹東人は収入が大幅に減り、生活苦でボロボロです。北朝鮮に目を向ける余裕は誰もありませんよ」(丹東の自営業者)

 ちなみに、今回のロックダウンは、丹東駅や丹東浪頭空港などがある振興区や元宝区、振安区の中心3区で実施された。

 丹東市を形成する県級市(=構成都市)である東港や鳳城などは、SNSや動画共有サイトを見ていた限り、感染対策で行動制限されたものの、経済活動は平常通りに行われていたようだ。

61日間は上海とまったく同じ

 ウェイボーには、「武漢のロックダウンは76日、揚州43日、蘭州36日、鄭州29日、長春31日。上海は5月1日から6月1日までで61日間。その間にPCR検査32回、抗原検査24回受けた。上海いいね」などの投稿が確認できる。

 丹東のロックダウンも上海とまったく同じ61日間続いたことになる。

 中国では、インターネット上の言論監視がコロナ禍に強化されているので、感染対策を批判することは許されない。

 そこで、投稿者は、PCR検査を32回も受けさせられたと伝えつつ、政府批判と受け取られないように(言い訳できるように)文末を肯定的な言葉で結んだのかもしれない。

 一部メディアでは、丹東のロックダウン解除を市民たちは、花火や爆竹で祝ったと報じたが、SNS上では、丹東のロックダウンは、まだ終わっていないとばかりに63日目…とつぶやく投稿も確認できる。

 丹東の混乱はしばらく続きそうだ。

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