現在、中朝国境は、新型コロナウイルスの影響で封鎖され人的往来は止まっている。
今月、中国のSNSに「中国で働く若い北朝鮮人女性たちは、こんなものを大量購入して帰国するのが好きなようだ」という投稿があり、8万7000回ほどの閲覧されている。
話はコロナ禍前の状況であるが、北朝鮮人が帰国時に何を爆買いしているのか意訳してお伝えしたい。
原則中国で3年働く
中国と北朝鮮の国境近くにあるいつくかの都市では、北朝鮮の若い女性をよく見かける。
中国で働く北朝鮮の女性たちは、その多くがレストランのウェイトレスとして働く。驚くことに、ほぼ全員が北朝鮮で大学を卒業している。
平壌との国際列車がある丹東駅では、大小のバッグを抱えた北朝鮮人たちの姿をよく見ることができる。
北朝鮮人たちにとって、中国の製品は安くて良いものであり、多くの商品が北朝鮮では大人気だ。
中国で働く北朝鮮の女性は、原則3年働くと帰国する。彼女たちが帰国する時、例外なく全員が中国で買い物をして中国の商品を持ち帰るのが大好きだという。
では、中国で働き帰国する北朝鮮の女性たちは、どんなものを好んで買うのだろうか。意外すぎて信じてもらえないかもしれない。
中国映画やドラマのDVDが定番商品
北朝鮮の多くの人はDVD鑑賞を楽しんでる。しかし、北朝鮮では買うことができないDVDがたくさんある。そこで、北朝鮮の女性たちは、北朝鮮へ帰国する時にDVDを買うことが定番となっているのだ。
中国と北朝鮮では経済発展の段階が異なるので、現在、中国人でDVDを見る人は少ない。映画やドラマは、インターネットや映画館で見る人が多いからだ。
一般的に北朝鮮では、欧米の映画やドラマの持ち込みを禁止しているため、北朝鮮の女性たちが持ち帰るDVDは、主に中国の映画やドラマとなる。
北朝鮮の人々は、映画やドラマをDVDなどの光ディスクで見ることが多い。なぜなら、北朝鮮はテレビ局が少なく、映画やドラマを放送しているチャンネルが少ないからだ。だから、DVDなどで映画を見るのが習慣化している人が多い。
果物とインスタントラーメンも大人気
北朝鮮の若い女性が本国へ帰国する時、衣類や靴、バッグなどを買うのだが、北朝鮮製の服よりもおしゃれで洗練されている中国製の服を非常に好んでいるようだ。また、果物やインスタントラーメンを買うことも大好きだったりする。
北朝鮮では、特に果物が非常に高い。インスタントラーメンは、北朝鮮の庶民によく食べられている。
というわけで、果物とインスタントラーメンの2種類は、中国土産として大歓迎されているのだ。
北朝鮮は、まだ軽工業が未発達のため、生活関連商品が不足している。そのため、北朝鮮の若い女性が中国から帰国する時には、大量のものを買い込んで持ち帰る光景が一種の風物詩のようになっている。
北レスで働くのは選ばれしエリート
4月末から中国SNSは、IP情報の一部が公開されている。投稿にはIPアドレス湖北となっている。あの武漢がある湖北省だ。
投稿では、中朝国境の都市で働く北朝鮮人女性の多くが北朝鮮レストラン(以下、北レス)など飲食店と紹介しているが、現実には、北レスなど飲食店で働く女性の数百倍が工場などで集団労働している。
中国で北朝鮮海外派遣労働者として働く北朝鮮人は、ほぼ全員女性で、男性はロシアへ派遣されることが多い。
北レスなどで働く北朝鮮人女性は、容姿端麗で出身成分に優れたいわば選ばれしエリート。北朝鮮人女性からすれば憧れの存在とされている。