省や直轄市、国名で表示
省や直轄市、国名で表示
中国の主要SNSでIP情報が公開されるようになって1か月半が経った。
IPといっても、198.51…のようにアドレスとして表示されるのではなく、広東省や北京など省や直轄市単位で表示され、中国国外だと日本などと国名で表示される。
IP情報公開は、4月28日に微博(ウェイボー)で始まり、翌29日にはWeChat(ウィーチャット・微信)、TikTok(ティックトック)の中国国内版である抖音(ドウイン)でも始まった。
中国メディアによると、国が強制したものではないと伝えているが、ほぼ開始タイミングが同じなので、中国政府が主導して始めたと考えて良い。
IP情報公開の目的について、ウェイボーは、「悪意あるデマやアクセス稼ぎを減らすため」と説明している。
中国在住者に聞くと、これまでウェイボーで、プロフィール上に日本在住と記載し、日本の情報を発信していた著名なインフルエンサーが、実は日本でなく、中国国内の山東省在住だったことが明らかになった例があるそうだ。
「このタイミングでのIP情報公開が始まったのは、上海のロックダウンが影響していると思われます。『全員の情報を政府は監視しているぞ』との警告もあるのではないでしょうか」(深セン在住者)
というのも中国政府は、わざわざ表示させなくても最初からすべての情報を把握しているからだ。
中国は、SNSが登場した当初から利用ユーザー全員のIPアドレスを政府がすぐに確認できる仕組みになっている。
中国政府は、登録情報を瞬時に取得でき、公安と連携して簡単に拘束できる体制で監視を強化してきた。
今回、政府が最初から把握しているIP情報をアプリ上に表示させたのは、抑止効果を狙ったものと言えそうだ。