日本人を狙うオンライン宗教勧誘
コロナ禍は、人々の往来を止めた。それを補うべくオンラインでの各種活動が発展し普及した。
国境を越える往来も制限されている今、韓国から日本人をターゲットにしたオンライン宗教勧誘が確認されている。
しかも、団体名も目的も伏せてウクライナ支援だったり、自己肯定感を向上させる心理学セミナーなどまったく違った名目で発信し、接触してくるので不誠実で厄介だ。
気がついたら洗脳されていた…なんて日本人も周りにいるかもしれない。
これに対して、日本のキリスト教系団体が具体的な教団名を挙げ「カルト教団」と糾弾して注意を呼びかけている。それだけ事態は深刻ということの証左だろう。
コロナ禍で揺らぐプロテスタント教会への信頼度
今年の4月、韓国の国民日報とコーディ研究所が共同で行った「宗教のイメージに関する世論調査」の結果が発表された。同調査は19歳以上の韓国国民1000人を対象にしたもの。
この中で「プロテスタント教会をどの程度信頼しますか」という設問に対し、「信頼する」と答えた人は18.1%に過ぎなかった。同じ設問に対し、カトリック教会は65.4%、仏教は66.3%であった。
韓国の宗教人口(2015年)は、プロテスタント(19.7%)がカトリック(7.9%)や仏教(15.5%)より多いことを考え合わせると、プロテスタント教会に対する不信が際立っていると言える。
また、各宗教のイメージを問う設問には、カトリック教会が道徳的、献身的、犠牲的。仏教が包容的、相生的(互助的)など肯定的なイメージが多く挙げられた一方で、プロテスタント教会は排他的、物質的、偽善的、利己的など否定的な単語が並んだ。
これは、この2年間に新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、一部のプロテスタント教会が対面での礼拝を強行し、たびたび大規模クラスターを引き起こしたことが影響している。
オンライン礼拝の普及と信者の教会離れ
オンライン礼拝の普及と信者の教会離れ
韓国では、2020年12月よりソーシャルディスタンスのレベルが引き上げられ、大人数での対面式礼拝が禁止された。
そのため、ほとんどの教会は、礼拝をすべてオンラインに切り替えるなどの措置を取った。このため、一部の信者の間では教会離れが進んだとも言われる。
韓国のプロテスタント教会は、積極的な宣教活動を特徴としているが、新型コロナによって宣教活動も自由に行えなくなったため、信者数が大幅に減った教会も少なくない。
ところが、こうした状況の中でも信者数を増やしている教会がある。
韓国の新天地イエス教証(あか)しの幕屋聖殿(以下、新天地イエス教会)がそれである。
同教会の機関誌によれば、2020年と21年の2年間にオンラインによる宣教活動によって新たに3万7220人が入信したそうだ。
犬鍋 浩(いぬなべ ひろし)
1961年東京生まれ。1996年~2007年、韓国ソウルに居住。帰国後も市井のコリアンウォッチャーとして自身のブログで発信を続けている。
犬鍋のヨロマル漫談