中国政府が昭和天皇への批判を削除するワケ
ウクライナ政府が公式ツイッターの動画で、ナチス・ドイツのヒトラー、イタリアの独裁者ムッソリーニとともに昭和天皇の顔写真を並べたことに対して日本国内から批判が起こり、25日に削除した。
この件は、中国でも報じられて炎上状態になっている。
中国のSNS微博(ウェイボー)では、中国共産党の機関紙・人民日報系列の環球時報からの投稿が確認できる。
他の官製アカウントでの投稿は、国営の中国中央テレビの軍事専門アカウントでの投稿が確認できるのみで、国を挙げての国策とまでは言えそうもない。
25日午前0時に投稿された環球時報の投稿には、コメント6828件、いいね17万683件確認できる(26日午後7時現在)。
環球時報の投稿は、日本や昭和天皇を批判するなどの評論などを含めない時系列での事実を伝えるのみの内容となっている。
書き込まれたコメントには、「日本は反省していない」「何で削除する?」「日本の右翼勢力に屈した」「日本人は加害者であることを隠すために被害者を装っている」「日独伊三国同盟は事実。何が間違っている?」「日本人は洗脳されている」「裕仁天皇は戦犯。問題ない」「日本人は第2次世界大戦の歴史を学んでいない」などのコメントが確認できる。
国家としての日本や日本人、日本政府への批判は目立つが、昭和天皇への批判は少ない。
おそらく、昭和天皇への批判コメントは、最近の中国政府の傾向から適度に削除しているのだと思われる。
その理由は、中国共産党が日本の天皇を権威付けに政治利用してきた歴史があるからだ。
中国は、韓国のように国家を挙げて”日王”など存在しない呼称で呼び続けることなく天皇と表記する。