「韓国総人口の3分の1が新型コロナ感染済み」
中国共産党の機関紙「人民日報」は、韓国が新型コロナウイルスの規制を撤廃することを微博(ウェイボー)へ投稿した。
「韓国総人口の3分の1が新型コロナ感染済み」をハッシュタグにして投稿冒頭で強調している。
投稿では、韓国が18日から飲食店や遊興施設の営業時間制限や会食時の10人までの人数制限などを撤廃することに言及しているが、15日時点でも1日の新規陽性者が12万人を超え、重症者999人、死者264人いることを強調した内容になっている。
コメント数は45と表示されているが、すべて削除されており、1件も表示されず、新規での書き込みもできない。
「韓国がうらやましい」「中国はいつ緩和するんだ?」のようなコメントが書き込まれて一掃された可能性がある。
上海のメディア関係者によると、昨年夏以降、上海当局から他国の新型コロナ対策を肯定したり、礼賛するような記事を控えるようにとの指導を受けたそうだ。おそらく、中国全土で同じような言論統制が敷かれていると推測できる。
中国以外の感染状況を伝える投稿にも他国をうらやむようなコメントは確認できない。すでに検閲されて削除されているのだろう。
韓国新型コロナ3大後遺症?
韓国新型コロナ3大後遺症?
同じく中国共産党の機関紙「環球時報」では、投稿冒頭に「韓国が生み出す新型コロナ3大後遺症」というタグを付けた記事を投稿している。
記事は、韓国の聯合ニュースなどを引用したとなっているが、韓国の新型コロナによる3大後遺症とは、中高生の学力が低下。家庭ごみが大幅に増加。66歳以上の高齢者の貧困率が上昇。と紹介している。
この投稿は、8日に投稿されたもので、現在も書き込まれたコメントは確認できる。多くが韓国政府の新型コロナ対策を批判する内容で占められている。
他にも世界の新型コロナ陽性者数トップ5。米国、インド、ブラジル、フランス、ドイツを挙げ、韓国は、インドを除くアジア1位の1610万4869人(15日時点)で、2位のインドネシアよりも1000万人以上多いアジア最悪国などの投稿も確認できる。
いずれも韓国の新型コロナへの感染者の人数を強調することで、「韓国政府の新型コロナ対策は失敗した」「国民の命を守れていない」などの世論誘導をしようとしているようにも感じさせるものだ。
中国入国時の隔離期間短縮を発表
今、上海での過酷な都市封鎖(ロックダウン)の現状がこれだけ漏れてくるのは、当局ができる検閲キャパシティーを超え、削除が追いついていないからだろう。
上海のロックダウンの失敗とも言える状況が中国全土へ伝わった影響か、遼寧省大連は、これまで入国時の隔離期間21日+7日の合計28日間が、突然、10日+7日の合計17日間へ短縮すると発表した(後半7日は、適切な環境だと認められた自宅での隔離)。
15日、大連の検疫所へ問い合わせをした在日中国人によれば、短縮決定は、事実であると認めるも、実施時期は、まだ未定との回答だったそうだ。
北京冬季五輪・パラリンピックが終了しても隔離期間を短縮しなかった中国が、上海でのロックダウン失敗への批判をかわす狙いか、あっさりと期間短縮を発表した点は注目に値する。
それでも在日中国人からは、長いとの声が上がっている。