1月中に丹東国境の封鎖解除で陸路運搬復活と報道
丸2年続く中国遼寧省丹東の国境封鎖が解除され、北朝鮮へ陸路での運搬が、1月中にも再開される見通しであると報じられた。
元々再開は、昨年11月に予定していたが、同じ遼寧省大連で新型コロナウイルスの陽性者が確認されたことも影響して延期されていたようだ。
ただし、丹東での中朝貿易再開は、正式発表されたものではない。あくまで、中朝関係筋によるとというものである点は注意したい。
このニュースは、中国官製メディアでは確認できないが、SNS微博(ウェイボー)では外電によるととテキスト書きでの投稿が確認でき、3日午後12時時点でも削除されていない。
つまり、中国当局が黙認したと考えれ、事実である可能性はありそうだ。
中朝国境橋上での車両引き渡し計画
中国では、通常の日曜日と変わらない2日、丹東の貿易関係者へ話を聞いてみると、確かに列車を使った貨物輸送の話が持ち上がっていることが確認できた。
丹東の貿易関係者によると、人的接触を最小限にし、かつ中朝関係者が双方で隔離されない方法で貿易を再開させる案が浮上しているという。
その手段とは、丹東と新義州を結ぶ1943年竣工の中朝友誼橋(旧鴨緑江第2橋梁)の中央付近で車両を北朝鮮側へ引き渡すというものだ。
丹東駅から本来は、先頭を走る気動車を貨物車両の最後尾に連結させて、押し出すように橋の中央まで進めて気動車を切り離す。その後、貨物車両は、北朝鮮側からやってくる気動車と連結して新義州駅まで貨物車両を運ぶという。
要するに、鴨緑江上で行われる合法的な「瀬取り」に近いのかもしれない。
確かに、この方法なら輸出入どちらでも輸送関係者が入国する必要はなく、隔離されることもない。
しかし、果たして、本当にこのような前代未聞の方法で国際列車を運行させるのだろうか。まだ、あくまで貿易関係者の中でのうわさに過ぎない。
未入国・非接触・隔離なしで貨物車両を北朝鮮へ運搬
今回、報じられた記事には、中朝で主張が食い違い調整に時間を要したことに隔離期間の認識があったようだ。
北朝鮮は入国者に対して3日間の隔離を主張し、中国は14日間の隔離を主張していたとのこと。
日本へこれまで伝えられてきた北朝鮮の徹底した感染対策からすると、3日間の隔離は、驚くほど短いと感じるわけだが、もし、実施されるのであれば、中国は、入国不要、直接接触もせずに貨物を列車ごと北朝鮮へ渡すウルトラCを編み出したというわけか。
貨物からの接触感染を理由にIT企業たたき?
近頃の中国では、“輸入された冷凍食品や国際貨物に付着した新型コロナウイルスへの接触感染”に注意するよう再三国民へ呼びかけている。
現時点でわかっている感染経路では、貨物の外箱や包装から接触感染する事例はごくまれだ。
貨物へ触れた後に消毒しなかったり、手洗いをせずに口鼻をべたべた触ったりしない限りはウイルスの性質上、感染リスクは、低いはずだからだ。
中国政府が、貨物からの感染を繰り返し警告した結果、宅配サービスへ規制や制限が実施されることになった。
元々日本よりも一般化していた中国の宅配サービスの市場規模は、コロナ禍でさらに拡大したわけだが、これも中国政府による一種のIT企業たたきに利用されているようだ。