脱獄1か月で懸賞金4.6倍アップ

脱獄1か月で懸賞金4.6倍アップ

脱獄劇から1か月、懸賞金70万元への大幅増額が発表された

 「走るATM」

 18日、中国のSNS微博(ウェイボー)は、ある北朝鮮人への懸賞金の投稿で盛り上がっている。

 その人物は、10月18日に中国吉林省の刑務所から脱獄した朱賢健(チュ・ヒョンゴン)受刑者。脱獄から1か月経過した今も発見されておらず、吉林省公安は18日、懸賞金70万元(約1250万円)を発表したため、SNS上で盛り上がっているのだ。

 脱獄直後の懸賞金は15万元(約267万円)だったので、1か月間で4.6倍に増額されたことになる。

 朱賢健受刑者は、2013年に北朝鮮から中国へ密入国し、その2日後に盗みに入った家で遭遇した高齢女性を刃物で刺し重傷を負わせる。幸いにも女性は一命をとりとめた。
 
 朱受刑者は、2016年に不法入国、強盗、傷害の罪で懲役11年3か月の刑を言い渡され刑務所へ収監された。

 収監後、朱受刑者は、受刑態度が良い模範囚として2度減刑され刑期が短縮。2023年8月21日に刑期を終える予定だった。釈放後は国外退去、つまり、北朝鮮へ送還されることが決まっていた。

「70万元あれば地方都市ならマンション買えるね」

「70万元あれば地方都市ならマンション買えるね」

7400件以上のコメントが書き込まれている観察者網のウェイボー投稿

「70万元あれば地方都市ならマンション買えるね」

 10月18日、朱賢健受刑者が脱獄する衝撃的な映像が、SNS上で瞬く間に拡散した。「映画みたい」などのコメントもあったが、監視体制を批判するコメントも複数確認された。

 その後、この脱獄劇は、規制対象となり、映像や関連タグ、個人投稿の記事は削除される。

 それが今回の懸賞金4.6倍アップで再びSNSを賑わせたというわけだ。

 大手メディア観察者網のウェイボー投稿には、最も多い7472件のコメントが書き込まれ、16万いいねがついている。

 今回も盛り上がりすぎると、規制対象となり、記事が削除されたり、コメント欄が封鎖されるとみられる。

 コメントには、「70万元あれば地方都市ならマンション買えるね」「目指すは韓国?」「一生山で潜伏生活するかも」「北朝鮮人はすごい」「帰国したくないんだろうね」「11月の東北は寒いよ」「大金が歩いている」などが確認できる。

 脱獄を許した刑務所や捕まえられない公安への批判は、確認できなので、政府や体制批判へ発展する可能性があるコメントは、逐一監視して削除されているのだろう。

脱獄した理由

 見た目は個人アカウントになっている19日のあるウェイボー記事では、脱獄時の映像をGIF画像にしたものやこれまでの経緯がまとめられている。

 あと2年で刑期満了というタイミングで脱獄した理由として、「朱賢健は、(北)朝鮮へ帰国したくないからだろう。なぜなら、朝鮮の刑法では、他国へ逃亡したりした者は5年以上の再教育刑。特に深刻な場合は、無期労働刑や死刑となることもある」と紹介し、「彼は帰国後に死刑になりたくなかったのだろう」と推測している。

 「そうすると、朱は、中国国内で死刑にならない(中国は1人の殺人でも原則死刑)程度の犯罪を犯して再逮捕されて、1日でも長く中国での刑務所生活を送ることを望んでいるのではないか」と記事は結ぶ。


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