1位シンガポール、2位カンボジア、3位韓国(少なくても1回接種)
新型コロナウイルスのパンデミックにおける対策の1つに政府による各国国民へのワクチン無料接種があるが、アジア圏内ではどれくらいの接種率なのかを調べてみた。
世界的には36%が2回目の接種完了平均値で、1回目のみを含めると約47%がいずれかのワクチンを接種したとされる。ヨーロッパ全域では54%がワクチン接種を終えており、1回のみを含めると約58%だった。
アジア各国のワクチン接種率は下記の通りだ。いずれも2021年10月14日時点の数字となる。
・シンガポール=2回完了79%:1回目のみ1%
・カンボジア=2回完了72%:1回目のみ8.3%
・韓国=2回完了63%:1回目のみ16%
・中国=2回完了71%:1回目のみ5.4%
・マレーシア=2回完了67%:1回目のみ8.4%
・日本=2回完了66%:1回目のみ8.7%
・香港=2回完了57%:1回目のみ3.2%
・台湾=2回完了20%:1回目のみ39%
・タイ=2回完了35%:1回目のみ17%
・ベトナム=2回完了17%:1回目のみ24%
・ラオス=2回完了28%:1回目のみ12%
・インドネシア=2回完了22%:1回目のみ16%
・フィリピン=2回完了19%:1回目のみ5.8%
・ミャンマー=2回完了7.1%:1回目のみ8.2%
※参照 Our World in Date
初期に抑え込みに成功した国の接種率が低い
人口や国の経済的な力なども影響するが、シンガポールや韓国が上位にくることは、想像に難くない一方、カンボジアも意外と接種率が高い。ちなみに、アジア全体平均は2回目接種が終わっている人が39%、1回目のみも含めると54%が接種済みとなる。上記両方の数字を足して54%に満たない国が平均以下で、上記の一覧だとタイから下が平均以下となる。
驚くのは台湾だ。2020年の早い段階から押さえ込みに成功しているとされた国なので、ワクチン接種率が低くても問題ないのかもしれない。
一方、2020年の中頃までは押さえ込みの優秀国と言われたタイとベトナムにおける接種率が低い。特にこの2国は、変異株が猛威を振るっているとされ、国内新規感染者が日々多数出ている。
11月から観光入国を再開させるタイ
11月から観光入国を再開させるタイ
タイは11月よりタイ政府が認定する低リスク国から順次、ワクチン接種完了者に対して強制隔離免除の方針を打ち出している。実質的に外国人の観光入国を再開させる見込みだ。しかし、一方では在住外国人の離脱も進んでいる。
インドネシアでは国内の病院がパンクしている状態で、万が一、コロナ感染しても適切な処置を受けられる見込みがないため、在住日本人の日本帰国が今年夏に相次いでいた。タイも同様に、在住日本人の数が大幅に減少したと言われている。
韓国はこれまでタイへの観光ビザが日本人よりも優遇されていた。ワクチン接種率も高く、日本に先駆けてタイ政府に低リスク国に認定され、観光渡航が再開するかもしれない。
高田 胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)など、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)