1953金城大戦闘として16日から配信予定だった
1953金城大戦闘として16日から配信予定だった
「韓国映画をボイコット」というコメントが中国SNSへ多く書き込まれている。
韓国で16日から配信される予定だった中国映画「金剛川」の韓国での配信が8日中止になったからだ。
韓国版は「1953金城大戦闘」という名称で、劇場公開ではなく15歳以上の年齢制限をかけてオンライン配信される予定だった。
これに対して中国のSNSでは「抗米援朝戦争の英雄たちを侮辱している」「韓国は悪い国だね」「韓国人はアメリカがやられれる映画が好きなのでは?」それから冒頭のボイコットを呼びかけるコメントも確認できる。
事実がほとんど含まれていない創作映画?
金剛川は昨年10月23日に公開された朝鮮戦争の休戦直前の金城の戦い(江原道華川郡)を舞台にした戦争映画だ。
公開初日から金剛川は、国内的には大ヒットと報じられて、何週にもわたり週間映画興行ランキング1位とのことだったが、不思議なことに、この映画を見たという中国人の話をまったく聞くことができなかった。
金剛川は戦争映画ではあるが、史実に基づいた歴史を描いたものではない。どれほどの事実が含まれているのか、また、どのくらい時代考証をしたかなどの説明は確認できないため、中国の朝鮮戦争参戦日である10月25日を盛り上げることを目的に作られたプロパガンダ色が極めて濃い映画と断言しても差し支えない。
金剛川の英語版ウィキペディアの記事では、米国の映画評論家デレク・エリー氏の「この映画は風変わりで独創的だ」とのコメントが紹介されている。つまり、事実がほとんど含まれていない創作映画という意味だろう。
それにしても、なぜ韓国で配信しようとしていた会社は、金剛川を韓国で配信しようと思ったのか謎である。
そもそも禁韓令で韓国映画はボイコット中
中国SNS上では、韓国映画のボイコットを呼びかけているが、そもそも2017年3月からの禁韓令で韓国映画は事実上、中国から締め出されたままだ。
さらに書くと、中国での外国映画の上映は許可制で、年間上映本数が決まっている。もしかすると、中国人自身が知らないのではないかと勘ぐってしまう。
中国で許可される外国映画の8割が中国を早くから有望な市場として目をつけて許可本数増加を求めていた米国の映画で、1割が欧州映画、残り1割をその他の国、主に韓国映画が1、2本上映されていた。
中国では外国映画だと上映されないリスクが高く、高額な制作費が回収できなくなる事態を回避するため、合作映画にして中国映画扱いで確実に上映させる映画が増えている。結果、当然ながら中国側のルールに従い、要求に沿った映画も増えている。